1/2ページ目 side:Lockon 「ロックオン、服を貸してくれ。」 「……は?」 相部屋の愛し子、 刹那が、唐突に俺に頼んできた。 「駄目ならいい。」 「いや、別に俺は構わないが……、いきなりどうした?」 洗濯物が溜まって、着がえるものがなくなったのだろうか。 刹那にしては珍しい。 いつも俺の目を見て話す刹那が、珍しくうつむいて言った。 「さっきクリスから『お洒落じゃない』と言われた。」 意外すぎるその発言に、俺はどう返答していいか分からなかった。 いくら落ち着いているように見えても、確かに刹那は15歳、思春真っ盛りだ。 異性から良く思われたいと思うのは当たり前だ。 ましてやその相手が、美人でナイスバディの、優しいお姉さんなら。 恋は人を大人にする。 隠せるならバナナの木の葉っぱで構わない、と言っていた刹那が、初めて着るものに関心を持ってくれたのが、いい証拠だ。 ああ、せっちゃんも着実に大人の階段を登っていくんだな……。 俺はこの時ズキンと傷んだ胸の痛みを、父性愛から生まれた寂しさだと思いこんでいた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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