1/1ページ目 ライルと俺は、2人で1人みたいなものだったから、エイミーが生まれるって聞いた時、俺は初めてお兄さんになった気がしたんだ。 生まれたばかりの赤ん坊は、サルみたいで、ちっこくて、 そして、確かに自分の肺で力強く呼吸していた。 シワシワの短い腕で、懸命に何かを探っていた。 俺がこいつを守らなきゃ。 ずっとずっと側にいてあげなきゃ。 俺は、初めて感じた肩の重みに、胸を震わせた。 轟音と爆風の中で圧し潰されたエイミーを見た時、俺は胸の中がからっぽになっていくのを感じた。 恨みを募らせて俺は自ら闇に足を踏み入れ、そして堕ちて行った。 窒息しそうな暗黒の中で足掻き疲れた時、俺はヴェーダに選ばれ、そしてあの子に出会った。 なあ、俺はもう一度、守るために戦ってもいいかな。 確かに俺は、裏稼業に手を染めたり、紛争根絶と云う目的を掲げながらもたくさんの命を奪ってきた。 幸せになれるなんざ思っちゃいねえ。 咎は受けるさ。全てが終わった時にな。 だけどな、やっとまた守りたいと思うモノができたんだ。 ちっこい身体でいつも必死に息苦しそうに呼吸している奴なんだ。 細すぎる腕で懸命に世界の歪みを探している奴なんだ。 俺が守ってやらなきゃ。 10年前の俺が今の俺を見たら、唖然とするのだろう。 道を踏み外し、その手を幾多の血で汚しておいて何を今更、と憤慨するのだろう。 でも、俺は後悔していない。 この愛しい子供を守るためなら、俺は何だってしてみせる。 今度こそ、俺が守り抜いてみせるから。 だから、何も知らないお前は、10年前の温かなまどろみの中で、あと少ししかない幸せな時間を楽しんでいてくれ。 **** ロク兄貴の10年前仔ニールに宛てた独白文でした。 確かに一期23話は神回だけど、ロク兄貴には家族の仇を優先していない、刹那命!な兄貴ver.が書きたかったので。 駄絵文ご無礼(´ω`ゞ [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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