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#15派生 彼は死んだと今悟った
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「ロ、ロックオン……!!」


まだ幼い俺自身から銃を奪い、走り出した、その時に俺は彼に出会った。

薄暗く寂れた俺の故郷に、彼は一人でたたずんでいた。





横顔の奥、右目には黒い眼帯。
憂い気に瞼が伏せられ、美しい翠碧は見えない。




「刹那、」


懐かしい響きが胸を震わせる。

「過去によって変えられるものは、今の自分の気持ちだけだ。」


ゆっくりと彼がこちらを見た。

待ち望んだ彼の瞳が、俺を捉えた。






「っ…………!!!」






……あんなに会いたいと思っていたのに、

あんなにもう一度だけでもいいから、彼の姿を見たいと願ったのに……。




俺は悲しくて堪らなかった。




もし、もう一度でもその翠碧が見れるのなら、

もし、たったの一度だけでも彼が俺の名を読んでくれるのなら……。




何度そう思い、枕を涙で濡らしただろう。

あの爆発から4年間、ずっと見続けてきた夢。

彼が笑って抱きしめてくれて、悪戯っぽく、でも優しいキスをしてくれる暖かい夢……。


俺はその温度に酔いしれながらも、心のどこかでは「これは夢だ」と把握していた。

蕩けるような口付けを甘んじて受けながら、「目覚めたくない」と強く願った。


彼の死亡を認めていた訳ではない。

むしろ、彼はこの世界の何処かでまだ生きていると信じていた。彼も同じように俺の夢を見ているのだと。生きているからこそ、こんな夢を俺にみせるのだと。






そう信じていたからこそ、今、こうして彼に対峙して悲しくなった。



これは、いつも見る夢とは違う。

彼が、はっきりと俺に語りかけている。







……ああ、ロックオンは死んだんだな。




俺は、今はっきりと悟った。







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