1/5ﾍﾟｰｼﾞ目 俺の名は、ロックオン・ストラトス。 ついこの前の3月3日に24歳になったばかりの大学院生だ。 ……いや、「だった」の方が正しいだろう。卒業式はもう終わったのだから。 だが、俺は大学に残ることを決めた。 院生の時点で発表した、GN粒子の新たな活用法についての論文が高く評価されて、学会から博士号を貰ったからだ。 もう学費を払う必要はないし、結構な額の安定した収入が入ることになる 。 面倒なバイトは全部辞めて、思う存分、研究にうちこめる。 「4月からはいよいよ俺も、助教授かあ……。」 狭い東京の空を見上げる。 随分大きく膨らんだ桜のつぼみ達も、俺のことを祝福してくれているようだ。 この大学のシンボルにもなっているイチョウ並木も、まだ短い薄緑の若枝から新芽を覗かせている。 「もう、すっかり春だなぁ。」 東京の春は、暖かい。 生まれ故郷のアイルランドとは大違いだ。 これからもずっと東京で生活するつもりだと、家族に連絡すると、妹のエイミーはかなり寂しがっていた。 「まぁ、夏は国に帰るしな、涼しいし家族に会えるし、悪くないな。」 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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