大学パロ

病院では、お静かに
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刹那と母親を後部座席に乗せ、俺は近くの病院に向かった。




俺は眠ったままの母親を抱きかかえて診察室に入った。

ポニーテールの男性の医師に診てもらった結果、やはり急性アルコール中毒だろう、と言われた。
過労と軽い栄養失調もあるそうだ。

「…………アルコールって、残酷だよね……。」
診察しながら、医師がボソッと呟いた。

「世の中から全てのアルコールが無くなればいいのに………。」

眼鏡の奥の眼差しは、憎悪に満ちていて怖ろしかった。









結局、点滴で血中アルコール濃度を薄めながら2、3日だけ入院、ということになった。



刹那は、病室のベッドにへばりついて離れない。
息子の心配など露知らず、母親はぐっすりと夢の中だ。
診察の間も一度も目を覚まさなかった。









一旦駐車場に戻った俺は、心配しているゼミ生たちの為に、研究室に電話をかけた。

プルル……「ロックオンッ!!!!!!?」

1コール目でアレルヤが出た。
耳がキーンとする。


「………アレルヤ、電話口で叫ぶな。」


「あ…、し、失礼……。
じゃなくて!!刹那、どうなっ、…ぅわぁっ!!」

急に雑音がして、


「おいあんた!!!連絡がおせぇんだよ!!!!チビはどうなった??!!」

と、ハレルヤが怒鳴る。また耳がキーンとする。

「ああ、遅くなって悪かったな。刹那は元気だ。」

とりあえず、まず要件を伝えると、電話の向こうで「刹那は無事だって〜〜!!」とアレルヤが叫ぶ声が聞こえた。
アレルヤもハレルヤのそばで聞き耳をたてているのだろう。


「で?あんたは今どこだ?」

「刹那のお母さんがちょっと過労でな、病院に連れてきた。」


まさか飲み過ぎで倒れたとは言えない。


「?、大丈夫なのか!?」


「ああ、2、3日入院するらしいが、全然大丈夫だ。」


「お袋さんの見舞いに行ってもいいか?」


「……ん…、そっとしてあげたほうがいいんじゃないかな〜。」

複雑そうな家庭だからな。



その後、心配していたフェルトも安心させてから電話を切った。
うちのゼミ生たちは本当にイイ奴らばかりだ。
普段からこうなら、もっと良いのだが。







俺は車からカバンを取って、病院内に戻った。

それから受付で、診察料や入院費諸々を全額自分が支払うように手続きをした。






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