大学パロ

二日目の恋
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俺は、大学院を卒業してすぐに助教授として勤務し始めた。

普通、博士号なんて簡単に授与されるもんじゃない。20代で教授職を取れた俺は珍しいほうだ。

俺の場合は、院生の時に書いた論文が高く評価されたため、特例のようなものだ。



院を出たばかり、というのもあって、授業はまだ担当していない。

ヴァスティ教授のサポートとしてたまに教壇に立つ程度だ。



その分、自分の研究に打ち込む時間はたくさんある。










今日も俺は研究室で、黙々と実験データを解析していた。


突然、バンッッとドアが開いた。



「…クリス!!いつもドアは静かに開けろって、…………、あれ?リヒティ?」


ドアの開け方でクリスだと判断してしまったが、入って来たのは4年生のリヒテンダール・ツエーリだった。

息を切らしてドアを開け、そのまま泣きついてきた。


「………、ロックオーン!!」

「ど、どうした?リヒティ。またフラレたのか!?」

「ど、どうして分かったんスか?」

「どうしてって……。」





リヒティの片思いは周知の事実だ。

クリスがなびかないのもみんな知っている。

そのザックリしたあしらい方は、見ていて気持ちいいくらいだ。







とりあえずリヒティを座らせて、コーヒーを淹れてやった。




「お前、授業は?」

「今日はあと4限だけっス。」


ズズッと鼻をかみ、ズズズッとコーヒーをすする。

だいぶ落ち着いたようだ。



「……それで?今日はどんな風にフラレたんだ?」

「直接ダメって言われた訳じゃないんスけど……。」

「また、クリスに好きな人でもできたのか?」

「そーなんス!」


……なんか、こんなポケモンいたな……




「……、で?今度はどんな奴に惚れたんだ?」

「………ロックオン、楽しんでるっスね?」

「当たり前だろ。」

「酷いっスよ!鬼畜!ニヒル野郎!」




クリスの男選びのセンスはなかなか個性的だ。

リヒティには申し訳ないが、正直言って面白い。


同級生のアレルヤに始まって、双子の兄のハレルヤ、ミハエル、挙げ句の果てに俺にまで惚れてしまった。

2週間と保たないので、惚れられた側は、『ああ、またか……』という感じだ。





「……今朝、赤門の前でクリスに会ったんス。」

グスグスと泣きながら、リヒティが話し始めた。


「……フェルトと一緒に登校していたから、挨拶しようと思ったんス。そしたら、クリスが『あの人すっごく私のタイプ!!!』ってはしゃいでフェルトに話してたんス。」

「で、どんな奴だった?」

「赤門の警備員っス。フェルト、早速メアド聞いていて……!!!」



ワアッとリヒティが泣き出した。



「クリスって、前にアレルヤに惚れたことあったじゃないスか?。その警備員の泣きボクロ取ったら、おもいっきりアレルヤとかぶってるんスよ。背も高いし、仕方ないかな、って思ったんスよ。けど……」


リヒティがガタンと立ち上がってカップが倒れた。コーヒーが零れ、リヒティのジャケットに飛び散る。

……セーフ。俺のスーツにはかからなかった。


「…その男、警備服の下はスパッツだったんスよ!!?俺ですらヒクのに……!やっぱり規準は足の長さっスか!!?」





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