1/6ﾍﾟｰｼﾞ目 ５月も後半。 キャンパスのイチョウ並木は青々と繁り、そろそろ長袖では暑くなってきた。 新入生たちもすっかり大学生活に慣れてきて、何もかもが活気に満ち溢れている。 そんなある日、ロックオンは一通のメールを受け取った。 「おーい、ちょっと聞いてくれ！」 実験室の入り口から呼び掛けると、それぞれ作業をしていたゼミ生たちは一斉に顔をあげた。 「連絡事項だ。明日は日曜日だが、午後からは必ず出席すること。学長が帰ってくる。」 とたんに実験室はざわつき始めた。 「イオリア先生が!?」 「まだ当分の間は宇宙から戻らないって言ってなかったっけ？」 「軌道エレベーターの建設、滞っているってニュースで言ってたから……。」、 「ああ、それで……。」 ――ちなみに、イオリア先生とは、世界的に著名な科学者で、この大学の学長を務めており、このＧＮ粒子研究ゼミの創設者でもある――。 「……そういう訳で、明日は正装で絶対参加！以上だ。」 「ロックオン先生ー!!スパッツは正装に入るッスかー？」 「入るんじゃねぇの？案外似合うかもしれねーぞ、リヒティ。」 「くぅっ……！ひどいっスよ、ロックオン！」 「まあ、正装って言ったって式典に出席する訳じゃないからな。逆にコスプレとかのほうがウケるんじゃないか？」 リヒティをからかって ハハハ、とロックオンは陽気に笑った。 「じゃあ、私、中学の頃のセーラー着ていこっかな。ミレイナとお揃いとか、どう？」 「シエラさん、グッドアイデアですぅ！」 「じゃ、じゃあ、ぼくも…」 「犯罪だよ、リヒティ。」 「オ、オレまだ何着るか言ってないじゃないっスか!? アレルヤまでひどいっスよ！」 リヒティをいじめて盛り上がるゼミ生たち。 その真ん中に居たロックオンは、部屋のすみっこで刹那が真面目な顔で会話を聞いているのに気が付かなかった。 ***** 今さらですが、確認のため。 クリスの本名は“クリスティナ・シエラ”です。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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