吉沢岳男



吉沢岳男(よしざわたけお 1933年7月15日生)
 [プロ野球選手]


 長野県出身。松商学園高校時代には堀内庄とバッテリーを組み甲子園にも出場した。1953年に中日ドラゴンズへ入団。当時捕手には野口明や河合保彦がおり、なかなか試合出場には恵まれなかった。しかし、1957年に河合からレギュラーの座を奪い、正捕手として多くの試合に出場した。

 1962年に近鉄バファローへトレードで移籍。近鉄でも正捕手として活躍。1969年に相川進・杉斎英とのトレードで中日へ戻るが活躍はできず、この年に引退した。

 現役引退した翌年1970年5月、捜査により近鉄の球団職員・山崎晃が1967年のシーズン中に自球団の選手に八百長を強要していた事(黒い霧事件)が明らかとなった。吉沢は八百長に連座した選手の中の一人だったとみられ、その影響で球界へのツテを失った彼は二度と球界に戻る事は無かった。

 その後、近所の中華料理店に就職する。かつてオールスターにも出場した名捕手がその日暮らし同然の生活を送るようになった。終いには女房、子供にも逃げられてしまい酒で気を紛らわす毎日を送っていた。

 1971年7月15日、38歳の誕生日だったその晩も吉沢は深酒をあおってアパートに帰宅。扇風機をかけたまま寝ついた吉沢が目覚める事は二度となかった。遺体が発見されたのはそれから三日後の事であった。死因は扇風機の切り忘れによる脳出血とみられている。

 1971年7月15日死去(享年38)





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